春の冷たい風が無くなって、夏に向けてだんだんと暖かくなってきましたね。
いよいよ今年もABTの季節がやってきた!と、実感するようになってきました。
ダンサー紹介は来日直前まで8回に分けてお贈りしますのでお楽しみに。
第1回目はキューバ出身のプリンシパル・ダンサー、ホセ・カレーニョ。情熱的な、それでいて気品溢れる踊りが魅力的です。
ABTのポスターでも海賊のカッコイイ姿を披露してますね。
※写真は 「ジリアン、PR来日レポートB」でご覧になれます。
カレーニョといえば前回の来日公演で情熱とラテンのノーブルな踊りを披露。
踊りが情熱的なのでワイルドなイメージですが、普段の彼はとっても物静か。
インタビューでは微笑を絶やさず言葉を選びながら話してくれたのが印象的でした。
そのインタビューは、昨年フェリ引退公演で来日した時のものです。
どうぞご覧下さい。
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−青春時代あなたの憧れていたダンサーは?
誰にでもヒーローがいるように、僕も小さい頃憧れているダンサーがいました。
それは実は、ミハイル・バリシニコフだったのです。ですから、彼が芸術監督を務めたことのあるABTで踊ることができるなんて、今でも信じられないときもあるくらいです。
−夢が叶ったわけですね。
そういうことですね(笑)
僕がバリシニコフに憧れていたように、今はバレエを習っている子供たちが僕のようになりたいと言ってくれている。それはとても嬉しく、誇りに思いますし、僕自身もそのことに励まされています。
−ダンサーとして、ABTの魅力はなんだと思いますか?
クラシック(古典)もコンテンポラリーも踊れるということではないでしょうか。
ABTにはMET(メトロポリタン・オペラ・ハウス)とNYシティセンターという二つのシーズンがあって、今度日本で上演する「白鳥の湖」「海賊」を始め、「ドン・キホーテ」「眠りの森の美女」「ジゼル」などの古典はほとんど、さらにトワイラ・サープ、マクミラン、キリアン、バランシン、ロビンスなど様々な振付家の作品が踊れるところが素晴らしいですね。
−ABTでのベストパートナーはどなたですか?
ジュリー・ケント、ニーナ・アナニアシヴィリ、パロマ・ヘレーラ・・・
こう考えていくとほとんどすべてのバレリーナと踊っているなぁ!!
ベストって質問だけど、一人には決められないよ。
−プライベートでも仲が良いのはどなたですか?
僕は単純な性格のせいなのか、友達は多いほうですね。特に仲が良いのはイーサンやアンヘルですね。
−どんな話をするのですか?
劇場を一歩出たらバレエ以外のことばっかり(笑)。
アートのこと、映画のこと・・・。それって健康的なことでしょ。
−本番前はどのように過ごしていますか?
普通のダンサーは、3時間前に劇場入りして、しっかり練習やストレッチをするかもしれないのですが・・・僕はそういうタイプではないですね。1時間前に劇場入りして、シャワーを浴びて本番に向かう・・・というスケジュールです。自分で自分の感情を徐々に高めて行って、ステージにパッと飛び出していくタイプ。それまでは時間がかかってしまうので、ステージマネージャーに「もっと早く舞台袖に来て」と言われてしまうこともあるくらいです。
−最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
ミラノにはミラノの、ニューヨークにはニューヨークの、それぞれにいつも応援してくれているファンはいるのですが、日本のファンは日本ではもちろん、ミラノにもニューヨークにも観に来てくれます。それはとても励みになります。日本のお客様ほど熱心に集中してバレエを観てくれるお客様はいないと思います。日本公演では「海賊」で踊るアリでは野性的な魅力とバレエテクニック、「白鳥の湖」で踊るジークフリート王子では情熱的な踊りとエレガントな雰囲気と、まったく違う僕を観てもらえるので、どんなふうに日本のお客様が反応してくださるのか楽しみです。ステージは、ダンサーだけではなくお客様と一緒になって創り上げるもの。登場した時の客席の熱気、ジャンプが成功した時の歓声で、どんどんテンションが上がってきます。きっと次の日本公演もエキサイティングだろうな!
取材:2007年7月27日
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カレーニョが今回の来日で踊るのは7/17(木)のガラ《シナトラ組曲》、7/18(金)ガラ《「海賊」パ・ド・ドゥ》、全幕では7/20(日)昼《海賊》、7/25(金)昼《白鳥の湖》です。 どうぞ、ご注目下さい!
⇒公演概要はこちらから
posted by JAPAN ARTS at 18:53|
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