ABTでは、この2種類のロットバルトを「レイクサイド・ロットバルト(怪物のほう)」と、「フォン・ロットバルト(第3幕舞踏会のシーンに登場するほう)」と区別しています。
先日のプレ・トークでマッケンジー監督が話していましたが、最初は1人のダンサーが両方のロットバルトを踊ることを考えていたそうです。しかし、マッケンジー監督のイメージをデザイナーに伝えたところ、素晴らしく(!)気味の悪い「レイクサイド・ロットバルト」の衣装が提案され、その衣装&ヘアメイクから「フォン・ロットバルト」に変わるための時間がなかったので、2人が踊り分けることになったそう。
しかしそのことによって、それぞれのイメージがより明確になり、踊りそのものにも大きく反映されることになりました。
マッケンジー監督が、あらゆるものを超越した存在、と話していた「フォン・ロットバルト」は、第3幕で登場し、最初はいぶかしそうに見ていた各国の王女たちを魅了し、最後は王妃までをも虜にします。
この役を踊るにあたり、ジャレッド・マシューズは「クール・セクシーに」と、監督からアドバイスされたと話していました。通常は「ロシアの踊り」に使われる魅惑的な音楽にのって、舞踏会をのっとっていくまでのシーンでは、指先から視線の送りかたまで注目です!
「レイクサイド・ロットバルト」の腕や指先にもぜひご注目ください。
がけの上から、魔法をかけるところが見えるようです。
Photo: Rosalie O'Connor