昨日来日したダンサーたちの中で、もっとも元気だったのはイリーナ・ドヴォロヴェンコとマキシム・ベロセルコフスキーの二人。
そうそうにチェック・インを済ませ、荷物を運び込んだ後は、ロビーにいる事務局のメンバーと話したり、ホテル周辺のレストラン情報をチェックしたり・・・「とーっても楽しみにしていましたぁ!」と飛び回りそうな勢い。
プリンシパル・ダンサーの中でも、最もセレブ度が高く、ファッション誌の表紙を飾ったり、パーティーシーンで見かけられることが多いカップル。(そういえば今年の春には、「25ans」でもオスカー・デ・ラ・レンタのドレスを着たイリーナが紹介されましたね)
実はこの二人、もともとキエフ・バレエ(ウクライナ)のトップ・ダンサーだったのですが、新天地を求めてニューヨークに移住。最初はコール・ド・バレエとして契約し、再びキャリアを築いてきたのです。
だからというわけではありませんが、二人に取材していると、華やかな世界の裏にある日々の努力、自分の踊りに対する厳しさをとても強く感じます。
特に印象的だったのは「もし一人だったらニューヨークに来て、ABTに入って、ここまでがんばることができたか、判らない・・・」という言葉。「二人で励ましあい、お互いの踊りをチェックし、磨きあってきたからこそ、今がある」としみじみと話してくれました。
1991年からずっと一緒に踊り続け、アイコンタクト、息遣い、空気でそれぞれの動きが判るという二人は、今年結婚15年目。
二人が踊る「白鳥の湖」からは、どのような「愛」を感じることができるのでしょうか?
ところで、マッケンジー版「白鳥の湖」の最後に白鳥と王子が身を投げるシーンですが、二人によると、あの演出は「音楽そのもの、あの曲想があのシーンを決定づけている」とのこと。
ただし、「いかに美しいポーズのまま身を投げるか」が非常に重要で、難しいそう。ニューヨークで初演されたころは、あの飛び込みシーンを何回も練習したそうです。
(ダンサーたちが飛び込む横で、舞台スタッフたちはオリンピックよろしく“10点”“9点”などとカードを出して楽しんでいた、とも笑いながら教えてくれました!)
とにかく、名前が長くて覚えにくい二人。
ABT内では二人のことを「イリーナ&マックス」と呼んでいますので、これからはこの呼び方でキマリですね!